ことしのセンバツには出場校で最長となる5年連続の出場を果たし、春夏合わせて23回目の甲子園でわずか1敗という驚異的な強さを見せてきた初戦で最多記録に並びました。
平成から令和の高校野球をけん引
大阪桐蔭高校の西谷浩一監督は兵庫県出身の54歳。
地元・兵庫の報徳学園や関西大でキャッチャーとしてプレーしたあと、大阪桐蔭のコーチとなり、1998年に監督に就任しました。
監督として甲子園で初めて指揮をとった2005年の夏の全国高校野球で150キロを超える速球を持ち味とする左ピッチャー、辻内崇伸投手や当時1年生だった中日の中田翔選手などを擁して、初勝利をあげ、ベスト4に進出しました。
2008年の夏の全国高校野球では、楽天の浅村栄斗選手を中心とする強力打線を持ち味に監督として春夏通じて初優勝を果たしました。
そして、2012年には、昨シーズンから大リーグでプレーする藤浪晋太郎投手とオリックスの森友哉選手のバッテリーを擁し、春夏連覇を達成しました。
さらに2018年には中日の根尾昴選手やロッテの藤原恭大選手を中心に投打に安定した力を見せて史上初となる2回目の春夏連覇に導きました。
2022年のセンバツ高校野球でも大会記録となる11本のホームランを打って圧倒的な強さで優勝するなど平成から令和の高校野球をけん引してきました。
センバツと夏の全国高校野球でそれぞれ4回ずつチームを優勝に導いていてとなります。
“約26年で68勝” 驚異的なペースで勝利重ねる
西谷監督は、監督に就任した1998年から、を積み重ねました。
歴代最多で並ぶ高嶋仁さんは、2018年に退任するまでのおよそ46年で68勝をあげていて、西谷監督が率いる大阪桐蔭が驚異的なペースで勝利を積み重ねてきたことがわかります。
また、西谷監督の春夏の甲子園での成績は、22日の勝利を含め、68勝13敗で、勝率は8割4分となっています。
これは、同じ大阪のPL学園を率いて1980年代の甲子園で春夏合わせて6回の優勝に導いた中村順司さんの勝率、8割5分3厘に迫る数字で、大阪桐蔭の近年の強さを物語っています。
68勝で並ぶ高嶋仁さん「100勝は楽に超えるのでは」
智弁和歌山高校と、奈良の智弁学園を率いて春夏の甲子園で最も多い「68勝」を挙げた高嶋仁さんは、大阪桐蔭の西谷浩一監督がみずからの記録に並んだことについて「記録は破られるためにあると思っている。西谷監督が自分の記録に最も近かったのであとはいつ記録が破られるかということだけ思っていた」と話しました。
また、西谷監督の指導者としての優れた部分については「毎回、優勝を狙えるチームに仕上げてから甲子園に来ていて、そのプレッシャーに負けずに勝ってきているのがすごいと思う。人間性が優れているからこそ選手たちが彼を慕ってこの結果につながっていると思う」と話しました。
そのうえで「この調子で10年くらいやればあと20勝、30勝、そして通算100勝は楽に超えるのではないか。彼には誰にも抜けないような数字を残してほしい」とエールを送っていました。
◇春夏の甲子園 監督の通算勝利数
◎1位 68勝:高嶋仁 元監督 智弁和歌山/智弁学園(奈良) ◎3位 58勝:中村順司 元監督 PL学園(大阪)
◎4位 54勝:馬淵史郎監督 明徳義塾(高知)
◎5位 51勝:渡辺元智 元監督 横浜(神奈川)
◎5位 51勝:前田三夫 元監督 帝京(東京)